食品衛生責任者とは?資格の内容と取得方法について
飲食店を開業するにあたり、調理の資格は必須でありません。
しかし開業者もしくは従業員に「食品衛生責任者」の資格者が必要です。
ここでは飲食店にまつわる法律「食品衛生法」と飲食店舗の運営に必要な「食品衛生責任者」について説明します。
あわせて名称が似ている「食品衛生管理者」との違いについても簡潔に触れています。
飲食店の営業許可に関わる「食品衛生法」
飲食店を経営する際、必ず必要になる「食品衛生責任者」の資格ですが、飲食の安全を守るために制定されている「食品衛生法」において、飲食店の営業許可に関するルールが下記のとおり定められています。
- 営業者は、許可施設ごとに自ら食品衛生に関する責任者となるか、又は当該施設における従事者のうちから食品衛生責任者1名を定めて置かなければならない。
- 食品衛生責任者は、営業者の指示に従い食品衛生上の管理運営に当たるものとする。
- 食品衛生責任者は、食品衛生上の危害の発生を防止するための措置が必要な場合は、営業者に対して改善を進言し、その促進を図らなければならない。
- 食品衛生責任者は、法令の改廃等に留意し、違反行為のないように努めなければならない。
参照:e-Gov『食品衛生法』
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000233
要約すると
飲食店を営業するには自分が食品衛生責任者になるか、食品衛生責任者の人を用意する必要がある
ということです。
食品衛生法と食品衛生法施工条例の違い
法と条例の違いにも触れておきましょう。
安全でない飲食物は感染症や食中毒などの重大な疾病を起こす危険性があります。命を守るとても大事な法律ですので、各都道府県は法の施行をよりスムーズに行えるよう、またはルールをより厳格化するよう独自に条例を定めています。
食品衛生法と食品衛生法施工条例は別物ではなく、法律をもとに自治体ごとに制定された条例が食品衛生法施工条例です。
参照:
東京都令規集『食品衛生施工条例』
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00000895.html
大阪府令規集『大阪府食品衛生施工条例』
http://www.pref.osaka.lg.jp/houbun/reiki/reiki_honbun/k201RG00000575.html
次に説明する「食品衛生責任者」は、食品衛生施工条例に基づいた資格です。
食品衛生責任者とは

食品衛生責任者とは、施設において食中毒や食品衛生法違反が起きないよう、食品衛生上の管理運営を行う資格者のことです。
食品衛生法で見たとおり、施設内に最低一人は配置することが義務付けられています。配置というのは資格者が在籍していること・先任者を一人決めておくということです。
常時出勤しなければならないということではありませんので
「今日はシフトで休みです」はOKです。
食品衛生責任者として任命した人が退職した際は、新たに別の人を任命しなければなりません。
また、食品衛生責任者が誰なのか、店舗内の見えやすい位置に掲示しておく必要があります。実際は見えにくい場所に貼られていることも多々ありますが…
下記のようなプレートをご覧になったことがあるのではないでしょうか?

食品衛生責任者の資格を取るには
食品衛生責任者に資格要件はなく、誰でも取得できます。
以下で資格の取得方法について解説します。

食品衛生責任者の取得方法
食品衛生責任者の資格は自治体が開催する「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得できます。
「食品衛生責任者養成講習会」
噛んでしまいそうな名称ですが「食品の衛生を管轄する責任者を要請するための講習会」と分解すると簡単ですね。
食品衛生責任者は条例に基づいた資格であるため、都道府県によって若干仕様が異なります。
資格の取得費用と講習内容
講習会の受講料は教材費を含めて10,000円程度(都道府県によって異なります)。
講習内容は衛生法規・公衆衛生学・食品衛生学の3部門ですが、通常は1日で終わります。
試験などはなく、講習会に参加しさえすれば資格がもらえます。また資格に有効期限はなく、更新も不要です。
とはいえ「食の安全を守る資格」であるため、資格者には定期的な講習会受講が推奨されています。
自治体によっては、資格取得から年数が経っている場合は再受講が必要なこともあります。基本的には一度でもどこかの都道府県で資格取得すると全国で通用しますが、新たな土地で飲食店をオープンする場合は、念のためその土地の条例要件を確認しておいた方がよいでしょう。
講習会受講が不要となる条件
条例によりますが、講習会の受講が不要となる条件があります。
それは既に食にまつわる専門資格を保有している場合です。主に対象となるのは下記の資格です。
- 調理師
- 管理栄養士
- 製菓衛生士
- 食鳥処理衛生管理者
- 船舶料理士
- と畜場法(とちくじょうほう)に規定する衛生管理責任者
- と畜場法(とちくじょうほう)に規定する作業衛生責任者
これらの資格保持者は講習会へ参加しなくても、保健所への申請だけで食品衛生責任者の資格を取得することができます。講習会で学ぶ内容が上記の資格取得時に含まれているからですね。
10,000円が浮くので、条件に当てはまる方は講習会をパスした方がお得です。
関連記事>>調理師とは。仕事内容や平均年収、調理師のなり方について
食品衛生管理者とは

食品衛生責任者と似た名前の資格に「食品衛生管理者」というものがありますが、食品衛生責任者と食品衛生管理者は違います。
食品衛生管理者は乳製品、食品添加物、食肉製品、食用油脂など、特定食品の製造・加工をする施設に1名配置することが義務付けられた資格者です。
ちなみに食品衛生管理者は食品製造・加工を行う施設へ一人のみの配置で大丈夫ですが、食品衛生責任者は製造・販売・飲食店などすべての施設で一人ずつの配置が必要です。
飲食店の開業で食品衛生管理者の資格が必要となることは滅多にないと思います。 詳細説明は省きますが、管理者の方は国家資格で取得要件は厳しくなります。
まとめ
食品衛生法と食品衛生責任者についてご説明しました。
日本国内のすべての飲食店では、安全な食事を提供するため食品衛生責任者の配置が義務付けられています。
飲食店を開業する際は、オーナーとして責任者を用意しなければなりません。
従業員に資格者がいれば問題ないですが、資格取得はとても簡単で1日で終わります。
複数人いても問題ありませんし、資格は一生ものですので、自分で資格取得しておきましょう。
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